Hump Back 拍手はいらない、この潔さ!
いいバンドは、最高の状態でいれなくなった時に
解散してしまう。
だから、活動期間も短くなってしまう。
しかし、やっぱり・・・
特にガールズバンドは、
女子ならではのセンス・・・
というのが面白い。
今現在、活動最中で
これは!という
気になる
ガールズバンド・・・
その一つが
Hump Back
******************************
まずは、この一曲を。
いかにも
彼女たちらしい曲だと思う。
***********************
高校の軽音楽部で
コピーバンドをしていた
大阪発の
スリーピースバンドである。
自分たちで作詞作曲をして
オリジナルバンドを作っていった。
2009年から
実に激しく
何度もメンバーが
入れ替わっている。
ギターボーカルの
林萌々子は、
そのたびに次のメンバーを
探しながら
バンドを守ってきた。
ベースが入ればドラムが辞め・・・
そんな事を繰り返していると
音楽を続ける気力を失い
滅入ってくるのが普通だが
そんな中、ついに
彼女一人になってしまったこともあった。
しかし、
ソロプロジェクト「HUMP BACK」として
活動した。
現在のメンバーになったのは
2016年。
よくぞここまで耐え抜いた!!!
****************************
世間では、
プロデューサーの元で
「グループで動く沢山の可愛い女の子」が注目を浴び、人気を総ナメにする風潮に中で…………
自分たちの実力だけで切り開き
いわゆる女子力を切り札にしない
そんなガールズバンド!!
癒されるし
元気をくれる。
そして彼女たち自身も
「かっこいいガールズバンド」
を目指しているらしい。
また同性からの支持が厚く、
ライブでは若い女の子が多いという。
************************
実は、チャットモンチーの
トリビュートアルバムに
「湯気」に参加している。
チャットモンチーの影響で
巷では
スリーピースでのガールズバンド
というスタイルが多く見かけるようになった。
シシャモや
YONIGEなどもそうだ・・・
期待感もこめてなのか
ハンプバックは、
第2のチャットモンチーなどという
声も聞くが・・・
しかし
チャットモンチーには
全然似ていない。
どちらかといえば
恋愛をテーマにしていたように感じる。
ハンプバックは、
そこに拘っていない。
べったりしたラブソングは
歌わない。
林萌々子いわく。
「当時のチヤットモンチーは
音楽としてかっこよかった。
女だから売れるのではなく
音楽を評価される
ガールズバンドでありたい」と。
また
あるライブでのできごと。
林萌々子はこう言った。
手拍子大丈夫です。ありがとう。
ロックバンドには拳だけで十分なんだ!
それでも手拍子がカッコいいと思うなら
やってくれ。
これは、しびれる。
・・・・。かっこいい。
骨太のサウンドで
頑張るガールズバンド。
女子力、そこは決して
売りにはしない。
何かを訴える。
その力に引き込れていく。
彼女たちの熱いメッセージ。
日本のガールズバンドも捨てたものではない。
***********************
そんなハンプバック
メジャーデビューは2018年12月。
その曲はこちら。
林萌々子が
10代のときに書いたメモから
この曲ができたらしい。
ハンプバックの曲は、
「私」ではなく
「僕」を使うことが多い
また、その「僕」というのは、
林萌々子自身、
のことらしい。
この曲も
少年がモチーフになっている。
しかし
この曲は林萌々子自身についてではなく
音信不通のバンド仲間に向けて
書いたものだという。
曲自体は、とてもシンプルで
なじみやすいメロディ。
コピーもしやすい。
もう夢は見ないのかい?という
ストレートな歌詞。
解散したチャットモンチーの
ガールズバンドパワーを
引き継いで
新たなガールズバンドを
築き上げようとしているように思える
**********************
そして、
特徴的なことがもう一つ。
歌詞に「夢」という言葉が
わりとよく使われる。
途中で挫折しそうになっても
諦めずに夢を追い続けて
活動している
林萌々子の
熱いメッセージが
心地よく入って来る。
今のような不安定な世の中・・・
メンタルが落ちそうになった時に
こういう曲を聴くと
頑張ろう!と思えるのではないかな。
熱い気持ちにさせてくれるというのか。
********************
ギターはブリッジミュートを使い
ずっしりとした音作り。
全体的にわかり易い構成で
ベースやドラムは比較的シンプル。
なのに、このカッコよさ!!
簡単に口ずさんだり
真似て演奏したりできる。
かつ、このメッセージ性の強さ。
耳障りの良いメロディ。
これは、間違いなく
聴く立場になって作られた曲だろう。
*********************
2015年4月
全国流通盤CD「帰り道」
限定で発売だった。
この中に
「サーカス」や「いつか」などという曲が入っている。
この時、林萌々子は、
度重なるメンバー脱退により
一人で活動していた。
その時に作った曲だった。
サーカスは、特に歌詞がすばらしい。
この歌詞の表現力は真似のしようがない。
唯一無二の世界。
曲と歌詞、
それが一つになって
はじめて訴える力を持つ。
歌詞というものを
おろそかにしてはいけない。
そういう意味で、
ハンプバックの歌詞は素晴らしい。
そして腹の底から歌っている。
かなりの
実力派バンドである。
しかもリアルタイムで活動している・・・
苦労が多かったバンドだが
支持されるべくして
支持されているかと思う。