ビートルズを語る 【5人目のビートルズ】
知る人ぞ知る、5人目のビートルズ。
ピート・ベスト(ドラマー)
いわゆる「イケメン」で人気があった彼が、
何故、ビートルズから脱退したのか・・・
1960年 ビートルズには、ドラムパートがいなかった。
ポールマッカートニー【ベース】は、このとき、
ピートに依頼。そして彼は仲間に入った。
レコードデビューも決まっていたのだが
1962年。
マネージャーを通して、ピートは突然、
解雇された。
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これだけ聞くと、
なんてひどい話なんだ・・・
と思うだろう。
ところが・・・だ。
この話は、けっこう複雑だったりする。
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この時、ファンの間で暴動がおこった。
ジョージ【リードギター】は殴られている。
しかし、メンバーの中で一番ピートを気にかけていたのも
また、ジョージだった。
ジョージは、自分がきっかけで
ピートがビートルズをやめることになったと思い、
解雇のことを「謝りたい」と思っていた。
そして、
1998年、ジョージだけは、ピートと再会し
和気あいあいと語り合ったという。
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一見、ジョージにうしろめたさが
あって謝ったように見えるだろうか?
それとも、ジョージの優しさに
見えるだろうか?
その答えは、
ピート自身にある。
そのことを、今から話そう。
活動中のピートは、こんな風だった。
まず・・・
時々ライブを休むようになっていた。
また、ビートルズのトレードマークともいえる
「マシュマロカット」・・・・
ピートだけは、断固として
リーゼントを貫いた。
ギグ(短いセッション)の後は
一人で出かけてしまい、
メンバーと時間を共有する事もなかった。
だから、彼が休んだ時に、
仕方なく
リンゴスターに代役を頼むことになった。
そして、リンゴスターのドラムは、
実にビートルズにマッチしていた。
だから、リンゴがビートルズのドラマーになるのは、
その時点から暗黙の了解となっていた。
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ただ、それだけではなく
実は、ドラムの技量という意味でも
こういう結果を産んだようだ。
ドラムとしての「ノリ」が、他の3人と合ってない・・・
という致命的な問題があった。
彼のドラムは、重い・・・のだ。
後ノリ、と言われるこのドラムは、
他の3人のリズミカルなものとは
また違う世界を持っている。
リンゴスターのドラムは、
思わず、身体がリズムを取りたくなるような・・
やっぱり、これが、ビートルズだよ。
誰が悪いとかいう次元ではない。
結局、バンドに必要なのは、
いわゆる、グルーヴってやつなのだ。
一緒に音楽を作りたいという気持ちがないと
それは産まれない。
ピートは
ビートルズの枠の中にいるより
自由でいたかったのではないかと思う。