ザ・フー それぞれが自分を主張!!これってありなんだ。
英3大バンドといえば、
「ビートルズ」「ローリングストーンズ」
そして「ザ・フー」と言われている。
しかし、ザ・フーは、あまり来日をしていない事もあり、
日本ではあまり認知度が高くない。
ザ・フーのすごいところは、
そのオリジナリティだ。
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今では、ロックといえば、
パワーコードというくらい
よく使われているが・・・
実は、
このパワーコードを
発明したのが
ザ・フーの
ピート・タウンゼントなのである。
パワーコードの発明って
本当に偉大だ。
このコードのお蔭で
ギター初心者でも
セッションが可能になってしまうのだから。
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ロックと出会ったのは、
この曲だった。
1955年
ビル・ヘイリー
「ロック・アラウンド・ザ・クロック」
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ピート・タウンゼントの生まれ育った家は、
ジャズなどの音楽がいつも流れていた。
父、母、祖母・・・と音楽をしていた
俗にいう音楽一家だったのだが、
そんな彼が、始めに手にした楽器は、
ハーモニカだったという。
かなり意外であるが・・・。
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しかし、ギターを手にしたところ
いきなり弾く事ができてしまう。
いやいや、
いくら音楽一家とはいえ、
ギターを手にしていきなり弾けるか?
基本的な弾き方は父に習ったが、
コードなどは独学でギターに転向し、その後
ロックバンドを結成する事になる。
これは、もう
持って生まれた素質としていいようがないと思うのだ。
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ある日、このバンドが
ローリングストーンズの前座として共演し、
これをきっかけにロックサウンドを
追求するようになる。
バンドの前座がきっかけになるというのは
けっこうよくあるケースだと思う。
さて、1962年結成。当初は、The Detours
そして、まず1964年ハイ・ナンバーズ「I’m The Face」でデビューし、
その後「ザ・フー」に改名し1965年にデビュー。
「マイ・ジェネレーション」が大ヒットとなった。
ところで、
この時、ジョンエントウィッスルが
やったベースソロがすごかった!!!
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1950~60年代は、若い労働者の中モッズが流行した。
いわゆるミリタリーパーカーと3つボタンスーツなどのファッション
が流行し、そのライフスタイルなどもモッズと言われた。
モッズコートという言葉もここからくるし、
ビートルズもデビュー時は、モッズファッションだった。
モッズコートは聞いたことがあるのではないかな?
そんなモッズが好んだのが、
ザ・フーだったのだ。
時代の先を行き、
彼らが好む音楽を作り出していたという
そのセンス・・・・
張り巡らされたアンテナが、ヒットにつながったのだろう。
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ピート・タウンゼントが書く詩は、人々を感動させたりもした。
1969年「トミー」が大ヒットしている。
この曲は、クラシック要素を取り入れており、
ロック・オペラ(ロック・ミュージカル)
という新しいジャンルを確立させた。
巨大でストーリー性のあるロック・オペラ。
ロック・オペラという言葉が
私は聴きなれないのだが・・・
目も見えない、耳も聞こえない
言葉も喋れないトミーの物語であり
舞台でも見るように構成された音楽を
ロック・オペラと呼ぶらしい。
なるほど!!
彼らの初期の音楽を知ればあまりにも意外な発想ではある。
1974年のロックオペラ「4重人格」も
大ヒットとなった。
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ドラムのキースムーン
ここで?という思い付きのようなタイミングのバスドラ。
ハイハットでリズムを刻むことは少ない。
というより、ハイハットをドラムに
組んでないことさえあった。
フィルインがやたら多い。
自由奔放に滅茶苦茶にやっているかと言えば
そういうわけでもなく
曲を邪魔するようなプレイはしないのだ。
メンバーを見ながら
アドリブが入ってこうなるらしい。
枠に囚われない演奏・・・。
スティックを使ったパフォーマンス。
立ちあがり、のけぞりという
魅せるドラム。
とにかく、目立つ、目立つ。
ベースのジョン。
彼がまた、一見クールに見えて、
個性あるベーシスト。
周りがどんなにハチャメチャな
パフォーマンスをしても
彼だけは我関せずだ。
彼は、その演奏力の高さから
ローリングストーン誌が選ぶ
最も偉大なベーシストで1位を獲得している。
普通、ベースは、ほとんど音として聴き取りにくく
間違ったときだけ目立ってしまう
影で支えてる的なパート。
のはずだが・・・ジョンのベースは
存在感がすごい。
ベースしながらリードボーカルを
することもあった。
なんと、ボーカルやギターより
ドラムとベースが目立つというこのバンド!!
ギターのタウンゼントは、
ギターソロが弾けなかった。
彼の代わりにベースが
リード演奏することもあった。
そのかわりに(?)
右腕をグルングルン回してピッキングする
ウインドミル奏法が特徴だった。
(ローリングストーンズから
ヒントを得たらしい)
また、テンポを保っていない
ドラムのキースに言わせれば、
ギターのタウンゼントがテンポを保つ仕事だと・・
ハチャメチャに感じるけれど
メンバー同士は、お互いを気にかけていて
心から通じ合っていたようだ。
また、空飛ぶギタリストとも呼ばれ、
演奏中のジャンプスタイルは、
ヘビメタに影響を与えた。
そして、
ボーカルのロジャー
普通、楽器というものは
ボーカルを尊重するわけだけど
このザ・フーに限っては、
ボーカルより
楽器プレイヤーの方が目立っている。
それでも、ロジャーだって
マイクを振り回したのパフォーマンス!
しかし、本来、あり得ない個性派メンバーのせいで
けっこう頑張っても、
ボーカルが過小評価されがちではある。
でも、実はハーモニカもするし
ギターだってできるのだ!
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こんなに
メンバーそれぞれが
好き勝手に
「俺が!」的な演奏パフォーマンスをしているのに
なぜか、不思議とまとまるという・・・。
それは、高い演奏能力があるからかもしれない。
そして、ザ・フーは、
世界に愛されたバンドになった。