ビートルズ 初期から中期へのターニングポイント
これまで、1962年のデビューから1965年までの
ビートルズのA面シングルをピックアップしてきたのだが・・・
ここで、
B面(いわゆるカップリング曲)にも
焦点をあてながら
初期ビートルズの軌跡を追ってみる。
①.1962.10.5★ラヴ・ミー・ドゥ / P.S.アイ・ラヴ・ユー
②.1963.1.11★ プリーズ・プリーズ・ミー / アスク・ミー・ホワイ
③.1963.4.12★フロム・トウ・ユー / サンキュー・ガール
④.1963.8.23★シー・ラヴズ・ユー / アイル・ゲット・ユー
⑤.1963.11.29★抱きしめたい / ジス・ボーイ
⑥.1964.3.20★キャント・バイ・ミー・ラヴ / ユー・キャント・ドゥ・ザット
⑦.1964.7.10★ハード・デイズ・ナイト / 今日の誓い
⑧.1964.11.27★アイ・フィール・ファイン / シーズ・ア・ウーマン
⑨.1965.4.5★涙の乗車券 / イエス・イット・イズ
⑩.1965.7.23★ヘルプ! / アイム・ダウン
⑪.1965.12.3★ 恋を抱きしめよう / デイ・トリッパー
①1962.10.5★ラヴ・ミー・ドゥ / P.S.アイ・ラヴ・ユー
さて、このB面は、
P.Sアイラブユー
このタイトル
良いではないか!
初めはA面にする話もあったらしいが
実は、
同名の曲があり取りやめたという。
ポールが楽器なしで歌っている。
②.1963.1.11★ プリーズ・プリーズ・ミー / アスク・ミー・ホワイ
アスクミーホワイ
ジョンレノンが作っており
彼がボーカルをしている。
デビューから2曲目シングルの
B面だが、かなりの名作と言われている。
では、どの部分で高い評価を得ているのか・・・
これを書くだけで
とんでもなく長い話になるので
またの機会に詳しく書かせて頂くつもりである。
③.1963.4.12★フロム・トウ・ユー / サンキュー・ガール
聴けば聴くほど、ビートルズ、すごいなって思う。
彼らがミドルエイトと呼んだ曲のつなぎの部分。
曲の雰囲気ががらっと変わる。
サビ前の展開は、まさに
ビートルズマジック!!
このB面が
サンキューガール。
このガールというのは
ファンに向けたものらしい。
ファンへに感謝を伝えたい・・・
そんな曲である。
④.1963.8.23★
シー・ラヴズ・ユー / アイル・ゲット・ユー
これぞ
誰の真似でもない
ビートルズだけが奏でる
特徴あるサウンド。
このB面は、
I’ll Get You
この曲は、
ジョンとポールのハモリが
かなりはっきりしていて
美しい。
聴きごたえある。
⑤.1963.11.29★抱きしめたい / ジス・ボーイ
全米で認められた
「抱きしめたい」
ビートルズ、すごいとしか言葉がでない。
やっぱり、
サビ前が素晴らしいよね。
それまでの軽快からリズムから
静かになり・・・
そこから一気にサビへ!!!
この盛り上がり方が
ビートルズだ。
さて、B面は
ジス・ボーイ
レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンの3声コーラスに
ご注目を。
独特のサウンドに3人のコーラス。
これが見事である。
しかも、ポールは、
ベースを弾きながらである。
ベースは、バンドの土台。
コーラスに気をとられてリズムが崩れる・・・
なんてことのない完璧なハモリ。
やっぱり、
バンドにはハーモニーというものが
大事なんだ。
⑥.1964.3.20★キャント・バイ・ミー・ラヴ / ユー・キャント・ドゥ・ザット
キャント・バイ・ミー
私事だが近くのスーパーでいつも流れていたので
なんだか夕方の忙しい感じが焼き付いて
これだけはあまり好きになれない・・・。
でもタイトル、いいね。
「愛はお金では買えないんだ」
ユー・キャント・ドゥ・ザット
ジョンが作った自信作。
ジョンはA面になるものだと思っていたようだ。
しかし、キャントバイミーラブの方が上回っていたという理由らしい。
いや、断然こっちの方がいいよ。
⑦.1964.7.10★ハード・デイズ・ナイト / 今日の誓い
この頃は、人気絶頂で忙しすぎたビートルズ。
そんな彼ら自身を歌った曲。
しかし、
カッコいい。
ノリに乗っている曲。
グルーヴ感が高まり、
盛り上がりを見せている。
人気絶頂になるのも仕方ない。
今日の誓い
ポールは、この曲をとても気に入っていたらしい。
ビートルズというのは、一つとして
同じような曲というのがない。
クリエイティブ集団である。
この曲は、サビで
AマイナーからAメジャーに
転調している。
ちなみに
ポールは
ベサメムーチョのように
マイナーからメジャーに転調したりする曲を
好んでいたらしい。
※参考
「 ベサメ・ムーチョ 」( Bésame mucho )
作詞作曲 コンスエロ・ベラスケス
(メキシコ)1941年
ラテンミュージックの名曲。
ビートルズがカバーするとかなり雰囲気も変わるが
⑧.1964.11.27★アイ・フィール・ファイン / シーズ・ア・ウーマン
ビートルズの曲というのは、
実に
一曲一曲、丁寧に作られている。
このギターリフは、耳に残る。
このB面
シーズ・ア・ウーマン
ブルースっぽい渋い曲。
ポールがシャウトして歌っている。
これ、ビートルズっぽくない。
あのビートルズ独特のリズム感
というものが感じられない。
その代わりに
酸いも甘いも味わった人間が
作るようなクールさがある。
驚きだ。
⑨.1965.4.5★涙の乗車券 / イエス・イット・イズ
サビで何度もタイトルが繰り返される
フレーズが印象的である。
また、
イントロに聴かれる複雑で不思議なリズムは
ビートルズの個性として確立したのでは。
回を増すごとに、質が上がるビートルズ。
B面
イエス・イット・イズ
ジョンが作った。
ジョンは、「ジス・ボーイ」を書き直すようなつもりで
複雑に手を加えようとしたものの
「全く上手くいかなかった」と言っている。
最後は、ポールが手助けして完成させた。
ジス・ボーイに比べると
練りに練っている。
キーがEの場合、使えるコードは
定石でいえば、DではなくD#だ。
なのに、Dを使っている。
ジョンは、何かを表現したかったに違いない。
そしてそれに当てはまる音を
探したのだが、しっくりくるものは
見つからなかったままだったのだろう。
ジョンは、最後までA面にしようかと迷ったとも言いつつ、
しかし、ジョン自身が好きでない曲の一つらしい。
ジョンは、
ロックテイストのバラードを作ろうとしたのだろうか?
単純な切なさだけでない、
複雑な感情を
表現したかったのだろうか?
ビートルズの中では
マイナーな曲に入るだろう。
しかし、ポールは、
「この曲は素晴らしい」と。
なんともいい話ではないか…。
⑩.1965.7.23★ヘルプ! / アイム・ダウン
多忙なあまり自分自身を見失いそうなくらいの
あまりの人気ぶり。
嬉しい悲鳴のはずだが
それも程度問題だ。
その現実に………
ヘルプ!と叫ぶ歌だ。
限界を超えた
トランス状態で産まれた曲なのか?
アイム・ダウン
ジョンはオルガンを演奏。
間奏で肘を使って鍵盤の上を左右に滑らせるという
やってみたくなるようなカッコいい
パフォーマンスをしている。
ただ、鍵盤に関しては
ポールの方が秀でてはいるらしい。
⑪.1965.12.3★ 恋を抱きしめよう / デイ・トリッパー
特徴的な
そのポップなサウンドを前面に出し
コンサートを精力的に行い
世界に発信していった頃までが
初期と言われている。
1965年12月3日
アルバム「ラバーソウル」もリリースしつつ
なんと
同時にシングル2曲をリリース。
この頃から
特に、挑戦的で
いわゆるビートルズ中期に入る。
新しいものを模索し
ポップ調アイドルではなく
アーティストとなっていくのだ。
この曲は、
部分的に3拍子になる。
どんどん進化していき
ビートルズのカラーが
出てきている。
両面A面となった
こちら
「デイトリッパー」
両A面、納得。
ヘビーなギターリフ。
今まではのポップなビートルズサウンドから私達を裏切ってゆく。
さて、この後、
どのように進化していくのか
興味あるところかと思う。
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