ミスチルヒストリー 大きな分岐点
さて、ミスチルはついに
ブレイク時を迎える!!
replayが収録されている
3枚目のアルバムversus
発売されたのが
1993年の9月1日。
このアルバムは
2枚目のアルバムほどは売れなかった。
そんな中・・・
シングル曲
クロスロードは
1993年11月10日発売となる。
このクロスロードからは、
それまでにイメージされなかった
スケールの大きさを感じさせるようになるのだ。
順不同になるが
アルバムの話の前に・・・
このブレイクの瞬間について
話しておこう。
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クロスロード
桜井和寿は
この曲ができた時に
「100万枚、売れる曲ができた」
と発言。(予言?)
そして、なんとそれは
現実のものとなった。
確信をもって
この曲を作ったといえる。
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売上は125万枚とされている。
ドラマ「同窓会」の主題歌に
抜擢された事がきっかけにも
なっただろう。
第一回の台本を読んでから
作ったというこの曲。
同窓会というドラマの
ストーリーは
タイトル通り、
同窓会で再開したメンツの話だが、
爽やかさとはほど遠い
風変わりなストーリー展開のドラマである。
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この奇想天外な台本を読んで
誘惑に彩られた一度だけの過ちなど
こういう言葉で表現した
このとびぬけたセンスの良さは、
初期のミスチルとは
明らかに違う次元にいる
………というより、
本来もっていたセンスは、
この曲を通して生かす突破口になっただろう。
爽やかで甘酸っぱい
青春ラブソングを卒業しての
深みのある曲作りだった。
対象になるのは
2人称の「君」ではない。
この後に
「誰もが」という複数の相手が加わる。
傷つけずには愛せない・・・
ハッピーエンドや単純な失恋ソングにはない
人間臭さ。どろ臭さ。
この頃のトレンディドラマには、
こういった展開に
ハラハラして
次を観ずにはいれない引力があった。
そこに、実にいい具合に
はまっている。
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クロスロード。
全ての殻を破った!!
一皮剥けた………。
恋愛だけに向けた曲ではない。
恋愛も含めてだが
わきおこる日常の感情。
誰もが共感できる内容。
国民的バンドのスタートラインに
立ったと言える。
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イントロからすでに
メロディアスで
キャッチャーである。
さあ、驚くべくは
その吸引力。
いきなり・・・
「 love」 と、 「たちならぶ」
で韻を踏んでいるのだが
こういったことからも
桜井和寿の織りなす詩の世界は、
そこに深いメッセージ性があるだけでなく
耳に聞こえる音の響きが
規則的にリズム感ある
繰り返しになっているのが分かるだろう。
クロスロード以降、
特にこの「韻を踏む」という仕掛けが
されているものが多くなっていく。
私たちは
なんとなく曲を聴きながら
言葉として以上に
刻んでいく「音」が
印象として残っていく。
それは、
ほとんど気が付かないうちに
聴く人の耳を心地よくさせるよう
さりげなく
巧妙に仕組まれている。
ドラマの主題歌として起用されると
耳に入ることが増え、
聴いた人は、
無意識に口ずさむだろうし、
テンポの良い心地よさに
繰り返し歌うことになる。
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この頃は、カラオケブームでもあったので
自然とカラオケボックスで
この曲を歌う人も増えた。
カラオケボックスでは、
歌詞が大きく表示される。
そこで韻を踏んでいる事に
気が付こうが、
気が付きまいが・・・
深いメッセージ性と
ストーリー性のある歌詞が
とにかく目につく。
曲というのは、
メロディだけではなく
歌詞が大事だと言ったのは
桜井和寿が憧れていたという
浜田省吾だったが
90年代の
カラオケブームでは、
より顕著に出たかと思う。
ミスチル現象なるものは、
こうやって
起こるべくして
起こった現象かもしれない。
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ところで、
この曲の冒頭の歌詞に出てくる
tichet to rideというワード。
これは、ビートルズの曲名である。
別名「涙の乗車券」
ミスチルの曲は、
ビートルズとリンクしている事が多いと
つくづく感じさせる。
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最後にタイトルについて。
クロスロードの意味とは、
こんな感じだ。
交差点
分岐点
岐路
十字路・・・
そして
重大な決定をする時に使われたりする。
同じタイトルで
楽曲としては
よく使われている。
エリッククラプトンの「クロスロード」
ボンジョビのアルバム「クロスロード」
他に邦楽でも「クロスロード」というタイトルの
曲はいくつかみかける。
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ミリオンセラー連発の
ミスチル現象を考えれば
特に90年代の音楽は
ミスチルあってこそ
とも言えるだろう。
そんなミスチルにとって
分岐点となった曲。
それはまさに、文字どおりの
クロスロード
だった。
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