洋楽タイムスリップ1965 ボブディラン like a Rolling Stone
この曲は、1965年に発売された。
ローリングストーンズというバンドと関係あるのか?
というと、特にはないらしい。
ただ、ローリングストーンズがデビューしたのは
1962年なので
当然、その存在は知っていただろう。
また、ローリングストーンズというバンド名が
マディー・ウォーターズの「Rollin' Stone」に
由来していることもおそらく
知ってはいただろう。
しかし、ローリングストーン誌は
1967年が創刊なので
ボブディランの方が先。
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創刊号で雑誌のタイトルの説明をしている。
●マディー・ウォーターズの「Rollin' Stone」
●ロックバンドのローリングストーンズ
この3つをあげている。
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そんな影響力のある、この曲。
ライク ア ローリングストーン
というのは、
「転がる石のような」
という意味。
行先の定まらない感じ?
ボブディラン自身、
バンドのローリングストーンズについて
関係するなどのコメントは一切ない。
たまたま・・・
無意識に
インプットされたものが
曲としてアウトプットされたかもしれないが。
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ボブディランにとっては最大のヒット曲。
フォーク・ロック。
そして、歌詞が文学的であり
それが評価され
歌手としては初めて
2016年に、
ノーベル文学賞を受賞となった。
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この、
ライクアローリングストーン
これは、裕福なある女性のこと。
裕福さを捨てることができない女性。
そして、どんなに地位や名誉があっても
いつ転落するか分からない。
そういう事を歌っている。
音に対しては
沢山の文字を上手くあてはめている。
まるで語るように・・・。
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面白いのは、
ノーベル文学賞を受賞したことに対して
「悪魔と契約を交わした」と言っている。
この意味がよく分からない。
ただ、ボブディランは
何かを恐れているようにも見える。
それは、
あのライクアローリングストーンの歌詞のように
何かを得てしまうと、そこから抜け出せなくなる
その悲劇・・・・
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ところで、そんな
ボブディランの
この曲、素敵。
セカンド・アルバム「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」から
シングル・カットされた
テーマソングのようになり
日本でも歌われた。
日本ではフォークと言えば
アコギだが、
ボブディランは、
エレキを使った。
そして、政治や社会などに対してのメッセージを
歌ったのだ。
このメッセージ性の高さが
高い評価を得ることになり
ノーベル文学賞に繋がったのだが。
「風に吹かれて」
1962年
20歳の時にボブ・ディランが作曲
その翌年に、
ピーター,ポール&マリーがカバーし
全米2位の大ヒットとなったことで
注目を浴び・・・
世の中を変えたいと願うプロテスト・ソングとなり
どれだけ人は見て見ぬ振りをして顔を背けることができるのだろう
そして、
その答えは風に吹かれて分からないと言っている。
私たちは、
平和を望んでいるのか?
どうなのか?
それを問いかけているような歌詞だが、
「結局のところ、分からないのさ」
みたいな感じかな。
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ボブディランは、
実は、
自分のサイトから
ノーベル文学賞受賞の記事を削除した。
そもそも、
その記事をサイトに載せたのは
ボブディラン本人ではなかったようだ。
2016年10月に受賞発表があったが、
一時期、
ノーベル賞事務局が何度も連絡したが
返事はなかった。
12月の受賞式も「先約のため」欠席
戸惑いがあるのが
なんとなく伝わる。
受賞の賞金800万クローナ(約1億円)を受け取るためには、
受賞式の6カ月後の6月10日までに講演しなければならない
というルールがあるのだという。
「業績にまつわる講演」
講演は27分程度で音声のみ、映像はない。
ロサンゼルスで収録された。
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彼は、講演でこう言った。
「ノーベル文学賞を受賞した時、
最初はなぜ、私の歌が文学に関係あるのか戸惑ったが、
それについてじっくりと考え、
文学と私の歌がどう繋がっているのか理解したいと思った。」
音楽との出会いから
作曲を始めるに至るまでを交え、
また、
世界的に有名な文学作品についてあげた。
文学も音楽も
意味そのものよりも
「人を感動させることがすべて」だと。
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そう、これを悪魔との契約と彼は呼んだのか?
悪魔との契約をした以上、
約束は果たさなければならない。
そして、彼は、
働きつづけた。
もう、いいだろうに・・・と思うくらいに。